−しびれ、めまい、頭痛、顔面痙攣について−   MRI 脳ドック、予防医療のご相談は、磐田脳神経外科病院まで。


■ しびれについて

しびれとは、何らかの原因により感覚の神経が障害されたために起こるものです。

このため障害される場所によってもしびれの出る範囲が異なり、半身、上肢のみ、下肢のみ、あるいは手足の手袋や靴下をつけた所に起こるものなどに分けられます。

また、運動麻痺、知覚鈍麻もしびれと感じるときもあります。ちなみに、神経には手足の運動を伝えるものもありますが、運動神経より感覚神経の方が圧迫に弱いため、ほとんどは先に感覚異常(知覚鈍麻、異常感覚)が出現し、次に運動障害が出現します。

まず、神経の走行について考えて見ましょう。末梢神経では手、足からの神経が数本あり、これらが集まって脊髄となります。脊髄の下半分では足からの神経が、頚部では手、足からの神経が加わり、脳ではさらに顔からの神経が加わっています。それ故、神経の障害される部位によってしびれの部位も異なってくるのです。

 それではしびれを来たす代表的な病気について考えてみましょう。


脳の障害:(のう)卒中(そっちゅう)脳内(のうない)出血(しゅっけつ)(のう)梗塞(こうそく)
これは特に顔を含め右あるいは左の半身に起こるしびれの場合です。右の脳は体の左半分を、左の脳は体の右半分を支配していま す。そのため、体の半分に異常が起こるといったことは、脳に何かが起こったと考えられます。しびれと同時に、同じ側の顔、手、足の動きが悪くなったり、呂律がまわらなくなったり、また、血圧も上がったりします。
放っておくと半身麻痺に進行する可能性があり、緊急で治療が必要となります。但し、必ずしも半身にしびれが来るとは限らず、顔にはしびれが無かったり、上肢だけ、あるいは下肢だけしびれたりすることもあり注意が必要です。

脳腫瘍でも同様な症状を起こすことがあります。

脊髄や末梢神経の障害:脊椎(せきつい)椎間板(ついかんばん)ヘルニア、変形性(へんけいせい)脊椎症(せきついしょう)
これは、首や腰の椎体(背骨のこと)そのもの、あるいはその間にあるクッションでsる椎間板がずれ、脊髄あるいはそこから出てきた末梢神経を圧迫するためにしびれが生じます。首では、末梢神経だけを圧迫すれば、腕から手にかけてしびれを感じ、脊髄も圧迫すると、手、足の神経を含んでいるため、手と足のしびれが出現します。
腰では、座骨神経痛や腰痛の原因となり、足のみにしびれや痛みが来ます。

これらがひどくなると運動障害が起こってきて、握力が落ちたり、細かい手作業が出来なくなったり、スリッパが脱げやすくなったりして筋肉は痩せてしまいます。
こうなる前に手術などの治療をした方が良いでしょう。
ほかに脊髄腫瘍、脊髄血管障害などでも同様な症状を来たすことがあります。

末梢神経の障害:手根管(しゅこんかん)症候群(しょうこうぐん)など
これらは脊髄から離れたところで末梢神経の1本が圧迫されるためにしびれが出現します。これらは手あるいは腕、足のうちある所にのみしびれが出現します。手術により治療可能です。

以上が外科的に手術の対象となるしびれの代表的なものです。


その他:多発性(たはつせい)神経炎(しんけいえん)
これは、しびれの出現する部位が特殊で、手袋や靴下を付けるところ(体から離れたところ)に感覚の異常(しびれ・知覚鈍麻)が出現します。糖尿病の人や中毒、また風邪を引いた後に起こることがあります。

末梢神経が全体的に障害されます。

しびれには内科的なもの、中毒、代謝(糖尿病など)、感染免疫性、変性などから、
外科的に手術が必要なものまで様々なものがあります。進行すると運動障害が出現し、手遅れとなる場合もありますので、しっかりと原因を確かめ適切な治療を行なった方が良いでしょう。


■ めまいについて


一言で“めまい”といってもその内容は様々です。

(1)   回転性めまい(壁や天井など周囲のものが回る。自分の体が回る。床が傾いたり、壁が倒れる。)

(2)   ふらつき(なんとなくフラフラする。頭の中がクラクラする。)

(3)   立ちくらみ(目の前が暗くなる。気が遠くなる。)

以上の大きく3つに分けられます。
その原因には多くの病気がありますが、脳神経外科にて、命にかかわり、出来るだけ早く治療が必要であるもの、めまいの発作を防止できるものなどがあります。

出血(しゅっけつ)(のう)梗塞(こうそく)が原因で起こるめまい
小脳あるいは脳幹とよばれる場所の出血では景色がチラチラ流れたり、グラグラゆれる回転性めまいが起こります。特に小脳出血ではめまいのほかに頭痛や吐き気も同時に起こり、脳幹出血では物が二重に見えたり、手足のしびれや麻痺の起こることが多いようです。小脳や脳幹の梗塞でも回転性めまいは起こります。梗塞とは血管が詰り、血液が流れなくなり脳の神経が死んでしまう病気です。同時に手足や胴体がしびれたり感覚が鈍くなったり、動きが悪くなることもあります。

これらの脳内出血や脳梗塞によるめまいは突然起こり持続性で止まりません。

また、病気の範囲が広いと意識障害が現れ、生命をも脅かし大変危険です。できる限り早く治療を受けることが必要です。脳幹や小脳の病気は脳のその他の場所に比べ致命的になることが多く、重い後遺症も残りやすいのです。

(のう)循環(じゅんかん)不全(ふぜん)が原因で起こるめまい
特に椎骨脳底動脈の範囲(脳の後方の部分)に血液の流れが悪くなると回転性めまいが起こります。発作は数秒間で、強いめまいが反復性に起きます。その他に手足のしびれや麻痺、言葉がうまくでないなどの症状を伴うことが多くあります。左手を良く使った時や自動車のバックで首をひねった時にめまいがおこるなどの症状のある方は、椎骨脳底動脈循環不全を起こしていると考えられ、精密検査が必要です。

脳腫瘍(のうしゅよう)が原因で起こるめまい

小脳橋角部という場所に聴神経腫瘍ができると軽いめまいが起こります。回転性であったり、なかったりします。この腫瘍の場合は、難聴や耳鳴りを伴うことがほとんどで、難聴が初発症状であることが多いのです。良性の腫瘍であることがほとんどですが、大きくなると神経を圧迫して手足の麻痺を含めいろいろな後遺症を残しますので、小さいうちに手術で取り去る必要があります。

また、小脳に腫瘍ができてもふらつく、うまく歩けないなどのめまいが起こることもあります。前述のように小さいうちに手術で取り去る必要があります。

以上がめまいのなかでもなるべく早く治療が必要な病気です。


次に良性のめまい(後遺症を残すことが少ないという意味で)について説明します。


メニエール病が原因で起こるめまい

めまいの他、難聴、耳鳴りを伴う発作が数時間続き、吐き気も起こります。

激しい回転性めまいが治まると難聴と耳鳴りも止まるのが特徴です。服薬が治療の中心となりますが、めまいの程度が高度で年に頻回発作を起こし、吐き気が強いなどの場合には、手術で治すことも考えて良いと思われます。

 厳密にはメニエール病ではありませんが、脳の血管が神経を圧迫してめまいが起こることもあります。(顔面痙攣や三叉神経は痛みとしての症状が現れますが、同じ原因で起こります)その場合は回転性めまいの発作は数秒間しか続きません。しかし、発作を何回も繰り返し、一日の内で数十回も起こすことがあります。

これは手術(神経減圧術)で治すことができます。


前庭(ぜんてい)神経炎(しんけいえん)が原因で起こるめまい
めまいが突然起こり数日間(5〜10日間)続き、吐き気を伴うこともあっても、その他の脳神経症状を伴うことはありません。前庭神経のウィルスによる感染のこともあり、めまいの始まる前に風邪などの上気道感染が先行する場合があります。

良性頭位性(りょうせいとういせい)めまい
頭位変換時(寝返りをうったり、急に寝たり起きたり、座っていて急に頭を持ち上げたり)に数秒間(5〜30秒間)起こる回転性のめまいで、吐き気を伴い吐くこともあります。難聴や神経症状を起こすことはなく、じっとしていれば治ることが多いものです。


その他の病気が原因で起こるめまい
ふらつく、立ちくらみがするなどのめまいの場合には、肩こり、貧血、起立性低血圧症などによることもあります。


以上めまいについて説明してきました。めまいという言葉は日常よく聞かれるものですが、中には放っておけない病気による症状のとこもあり、CTMRIなどの検査をすることをお勧めします



■ 頭痛について

1.    危険な頭痛と安全な頭痛

頭痛は大変多い病気です。頭痛を一度も体験したことがないという人のほうが珍しいくらいでしょう。

頭痛はどのようにして起こるのでしょう?

実は、脳は神経の塊でありながら脳自体はつねっても叩いても痛みを感じないのです。

ではどこが痛いのでしょうか?

それは脳の周りを覆っている脳膜や血管が痛いのです。これが引っ張られたり、刺激されると頭痛として感じます。また、頭蓋骨の外側の皮膚や筋肉が痛むと、やはり頭の中の痛みとして感じることがしばしばあります。


頭痛と一口にいっても命の心配のないものから、非常に危険なものまで様々な種類があります。それではいったいどのような頭痛があるのでしょうか。


時々激しく痛む頭痛:(へん)頭痛(ずつう)
月に何回かズキンズキンと心臓が拍動するような頭痛が起こります。最初に、目にチカチカしたものが見えることがあり30分ぐらいすると頭痛がだんだん強くなり吐いたりしますが、翌日はさっぱりしていることが多く、長くても数日でおさまります。
女性に多く、家族に同様の頭痛を持つ人がいることがあります。片頭痛は、頭の中や外の動脈が拡張するために起こる血管の痛みです。痛くなる前に血管の拡張を抑える薬を飲むことで防ぐことができます。

補足:片頭痛と偏頭痛は同じことを指すようですが、医学的に片頭痛と表記しています。

常に重苦しく痛む頭痛:(きん)収縮性(しゅうしゅくせい)頭痛(ずつう)
いつも頭の後ろの方や首筋が重苦しく、これが強くなると次第に頭全体が“頭に重石を乗せられたよう”“押さえつけられるよう”“はちまきで締め付けられるよう”に痛くなり、時には激しく痛んで吐くこともあります。頭痛は徐々にはじまり、最初は疲れのたまってくる午後に強くなりますが、次第に一日中、何週間の何ヶ月も続くようになります。しかし、その程度はまちまちで、比較的軽いときとかなり重いときがあります。

この頭痛は肩や首、頭部の筋肉が常に緊張しているために起こります。理学療法や薬剤で筋肉をリラックスさせることにより治療します。

全く突然にガーンとくる頭痛:くも膜下(まくか)出血(しゅっけつ)
突然、ガーンというハンマーで殴られたような、いままでに経験したことがないような激しい頭痛が起こり、吐き気・嘔吐をともなうこともあります。これは大変危険な頭痛で、くも膜下出血が考えられます。

くも膜下出血は脳の太い血管にできたこぶ(動脈瘤:どうみゃくりゅう)が破裂し出血することによって起こります。出血量が少なければ頭痛だけですが、大量だと即死に近い状態でなくなってしまいます。出血が少なくても、放置すると再び出血し2回目の出血で70%近くの人が死亡してしまうという非常に恐ろしい病気です。
何はともあれ、緊急に治療することが必要です。この頭痛発作の何日か前から軽い頭痛やものがまぶしく見える、ものが二重に見えるなどの症状がみられることがあり、これを警告発作といいます。これも重要なサインです。
くも膜下出血による頭痛は、出血の直後が最も強烈でその後、日ごと軽くなっていきますが、ここで安心してしまうのは禁物です。再出血を起こしてしまうと大変危険です。このような突然の頭痛が起こった時は、我慢せずに一刻も早く脳神経外科を受診してください。

 その他の頭痛
脳腫瘍(のうしゅよう)、細菌ウィルスによる髄膜炎(ずいまくえん)、蓄膿症(ちくのうしょう)、首の病気やけがなど様々な病気が頭痛の原因になります。

頭痛の多くは心配のいらないものですが、症状だけでは安全、危険とはっきり区別できないことが多く、また様々な病気がひそんでいることもありますので、心配な方はCTなどによる検査を受けた方が良いでしょう。
また、慢性の頭痛は、寝不足や過労、気苦労、精神的なストレスなどがきっかけで、起こりやすいことが知られています。規則的な生活を心がけること、趣味をつくったり、好きなことに熱中して心身ともにリフレッシュされることをお勧めします。



■ 顔面痙攣について

 顔面(がんめん)痙攣(けいれん)
顔面痙攣とは、目を閉じたり、口びるを動かしたりして顔に表情をつくる顔面の筋肉が痙攣(けいれん)するために、まぶたが勝手にピクピク動いたり、口元が勝手に引きつったりする病気です。
 たいていは片方の目から始まり、次第に顔半分全体までに広がります。人と話をしたり緊張した時に起こりやすく、程度の強い人は片目を開けようとしても開かず、口元が引きつって会話の出来ない人もいます。また、一日中けいれんが続いている人もいます。そのため、人前に出ることが苦痛となり、人目を避け、閉じこもりがちになります。

なかには「外出はなるべく減らし、出掛ける時は下を向いて必ずハンカチで顔半分隠す」といった主婦の悩みも聞かれます。


 三叉(さんさ)神経(しんけい)(つう)
三叉神経痛とは、突然、頬(ほお)や下顎(したあご)などに耐えがたい痛み(激痛、電撃痛)がおこり、数秒後には消えてしまいますが、一日の中に何度も繰り返し発作性に痛みが起こる病気です。
 特に洗顔、食事、歯磨き、寒冷刺激などで誘発されるため、痛みの恐怖からこれらの動作をなるべく避けるようになってしまいます。虫歯と間違えて歯を抜いてしまった人も多くみられますが、もちろん痛みは消えません。



  治療(ちりょう)

今までこの病気は原因不明で、薬物を神経に注射する神経ブロックや薬の内服などの方法がありました。しかし、神経ブロックはブロックする時に非常に痛みが伴い、顔がゆがんだり、短期間で再発し期待するほど効果が見られません。また、薬の内服もだんだん量が多くなったり、一生のみ続けなければならないので、肝臓を悪くする人もいます。
 これに対し、画期的な方法がアメリカのピッツバーグ大学医学部脳神経外科、ピーター・ジャネッタ教授により開発されました。原因は脳の血管が顔面神経ないし三叉神経を圧迫するためで、顕微鏡下に神経から血管を離してやれば劇的に症状は消失し、再発もほとんどないというものです。わが国でも脳神経外科領域で盛んに行なわれ、優れた治療効果を上げています。通常、手術後2日目から歩くことができ、1週間で糸が抜け、手術前の検査を含めて約2週間の入院期間が必要ですが、手術前の悩みがいっぺんに消え多くの方に喜ばれております。中には人前に積極的に出られるようになり、家族から性格が明るくなった、活動的になったと言われたという患者さんもおります。顔面痙攣や三叉神経痛でお悩みの方は、脳神経外科を受診され、詳しい説明を受けることをお勧めします。


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