「高血圧と糖尿病」 家庭血圧測定のすすめ

     生活習慣病内科 山本 裕之医師

よく老化は血管から始まると言われます。避けることのできない加齢の他には、糖尿病が最も血管を傷害すると考えられています。事実、糖尿病を背景に持つと脳卒中や冠動脈疾患の発症が、一般に比べ2〜4倍高まることが知られています。インスリン抵抗性という共通の基礎を持って、糖尿病と高血圧が合併しやすいことが血管へのダメージを助長しますから、血管障害を起こさないためには血糖管理だけではなく、血圧(降圧)管理も非常に大切になります。

 糖尿病三大合併症としても知られる腎障害も、やはり腎臓の血圧(糸球体内圧)が高いと悪化します。もともと血圧と非常に密接な関係にある腎臓を通じて、血圧について振り返って見ましょう。

 さて、では血圧はどのくらいがいいのでしょうか。一般に高血圧の降圧目標値は140/90mmHg未満ですが、糖尿病など他のリスクを持つ場合は130/85mmHg未満に、さらに腎機能障害があって蛋白尿が1g/日以上出ている場合は、125/75mmHg 未満に下げるのがいいとされています。

 高齢者の血圧の特徴として、動脈硬化に伴い収縮期血圧(上の血圧)が高く、上と下の血圧差が大きくなったり、早朝の昇圧を起こしやすかったり(これは危険)、病院で測ったときは高くなる(白衣高血圧)割合が増えたりします。病院外来時測定のみではわかりにくく、家庭血圧測定(せめて起床時と就寝時の2回でも)を是非行い、血圧手帳に記入したものを医師に見せて下さい。血圧測定機器の普及はわが国で300万台を超えており、もはや一家に一台の必需品かもしれません。日常生活としては、塩分を控えめにする、ストレスをため込まないといったところがやはり非常に大切です。